不動産を持つとかかる税金、不動産取得税のすべて

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不動産取得税とは

家やマンションなどを購入するなどした際に課税される税金のことを言います。より正確に言うと、不動産を相続以外の原因で取得した場合に、その不動産の所在地の都道府県が、その取得者に対し、不動産の評価額に応じて課税する税金のことを言います。

家を買ったとき、もらったときに課税?

不動産を相続や包括遺贈で取得した場合は、不動産取得税は課税されません(地方税法73条の7本文参照)。また、相続等により共有となった土地を物理的に分割し、各共有者の元の土地の持分に対応する分割であった場合にも課税はされません。
つまり、主として、家やマンションを購入したり、もらったとき(贈与、遺贈)を受けたときに課税さることとなります。

補足)包括遺贈とは_特定遺贈との違い

包括遺贈とは、民法上相続人と同一の権利義務を負担します。よって、相続人と同様に被相続人のプラス財産だけでなく、マイナス財産も承継することになります。一定の場合に取扱いが異なりますが、ここでは「相続人と類似する立場の者」とご理解下さい。

「いつ」の時点で課税されるのか

「不動産取得税の課税標準は、不動産を取得した時における不動産の価格とする。」(地方税法73条の13本文)。すなわち、取得した時点での固定資産評価額に基づいて課税されます。都道府県によって異なりますが、おおむね、取得後6か月から1年半以内に納税通知書によって、不動産取得税の請求を受けます。
なお、東京都の場合は、不動産を取得した場合には、30日以内に各都税事務所に届出を行う必要があります(東京都主税局ホームページ参照http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/fudosan.html#gaiyo_01)

不動産取得税の計算方法とは?

不動産所得税の基本的な計算方法は次のとおりです。

固定資産評価額×税率=不動産取得税

この場合の本則税率は4%とされていますが、暫定的措置として平成33年3月31日までは、住宅を取得した場合は、3%の税率となります。

固定資産税とは

不動産所得税を説明する前提として、固定資産税について説明します。まず固定資産とは、「土地、家屋及び償却資産を総称」します(地方税法341条1号)。この固定資産に対し、その評価額に応じ、固定資産所在の市区村は、固定資産に課税を行います。この固定資産税の納税義務者は、その年の1月1日現在の所有者となります。なお、固定資産の評価額とは、いわゆる不動産の購入費用ではありません。
また、東京都の場合、23区内の固定資産は都が都税として、課税します。23区以外の市町村は原則どおり、各市町村が課税します。

補足)固定資産評価額とは

固定資産評価額とは各市町村(東京都23区内の場合は都)が、固定資産税を課税するために評価する不動産の価格を指します。固定資産評価額は3年ごとに見直され、宅地の場合は、「市街地宅地評価法」(路線価方式)と「その他の宅地評価法」(標準地比準方式)を用いて評価します。

固定資産税の税率とは_その計算方法

原則固定資産の標準税率は、1.4%です(地方税法350条参照)。ただし、市町村で財政上の必要がある場合はこれを上回る税率を設けることができます。
ただし、宅地の場合には小規模宅地の住宅特例(宅地面積が200㎡未満)の適用がある場合には、評価額の1/6が課税標準価格となります。それ以外の場合は、評価額の1/3となります。
また、建物の場合は、原則として建物の価格にそのまま1.4%の税率を掛けます。なお、新築建物の場合は、暫定措置として、平成32年3月31日までに新築された住宅であり、床面積が50㎡を超える場合には、評価額の1/2に対して、1.4%の税率を掛けます。

不動産取得税の有無_非課税になる場合とは

先に述べましたように、不動産を購入した場合、多くの場合は不動産取得税が課税されます。また、「不動産取得税は、不動産の取得に対し、当該不動産所在の道府県において、当該不動産の取得者に課」されますので(地方税法73条の2参照)、有償・無償に限定されません。ただし、取得者がどんな場合でも課税されるわけでなく、当然のように、取得者が医療法人、社会福祉法人、宗教法人、および学校法人等の場合には不動産取得税を課することができません。
また、取得主体の属性ではなく、取得の目的となる不動産の評価額が一定以下の場合には、不動産取得税を課税することができません(地方税法73条の15の2参照)。なお、具体的には、次のとおりです。
①土地評価額が10万円未満の場合
②建物の新築増改築の場合は価格が23万円未満の場合
③建物につきその他、売買等(建物を購入した場合)で取得した場合の価格の評価が12万円未満の場合 

不動産取得税の軽減措置の利用について

不動産は元々の評価額が高いので、そのまま不動産取得税の課税を行うと、一般市民にとってかなり負担の大きいものとなります。そうすると、不動産の市場取引が減少し、流動性が損なわれる危険があります。
そこで、地方税法及び、各地方自治体の条例には、不動産の流通性を妨げないように、一般市民の自宅の購入につき、一定の減税措置を講じています。

不動産取得税の減税措置の具体的説明

日本法律における不動産の考え方は、土地と建物を原則として、別々の不動産として判断しています。よって、不動産取得税についても、土地と建物について別々に評価され、また同様に、税負担軽減措置も別々にされています。具体的には、地方税法に記載のあるとおりですが、より細かい規定については、各都道府県が条例にて定めているケースが多いです。

不動産取得税の軽減措置を受けるための注意点

まず原則として、日本の税制度は「申告主義」をとっています。その理由が様々ありますが、一つには、行政の徴税能力が不足しているので、「自分の納めるべき税金の基礎となる情報は、自分で申告すべきだ」との考えによるところです。
要するに、注意をしなければならないことは、不動産を取得したと役所に届け出るときに、「自分が減税措置を受けられる旨」を申告する必要があるということです。なお、期間内に軽減措置の申告をしないと、不動産取得税の軽減を受けられない場合があります。

役所は日々、事務手続きに追われているため、よほど親切な担当者にあたる等例外的な場合を除き、減税措置が適用されるということ教えてはくれません。
あるいは、購入後のフォローまで責任を持つような、不動産会社の営業担当者ならば、あらかじめ必要な書類や手続きについて案内してくれるかもしれません。
しかし、現実にはそうではない場合もありますので、自己責任で軽減措置の申告をして下さい。

個人が購入によって取得した場合_新築物件の場合

新築住宅の場合は、その建物の敷地(土地)と、建物についてそれぞれ、税負担軽減措置があります。

土地についての税負担軽減措置について

不動産取得税の減税措置を受ける前提条件として、取得した土地の建物が新築物件か、または中古の場合でも耐震基準を満たした物件でなくてはなりません。建物の基準については後に詳細を記載します。
土地の取得についての要件は以下のとおりです。
<3年以内の住宅の新築>
①あらかじめ取得していた土地に建物を新築
②土地の取得者からその土地を取得した者(譲渡の相手方)が取得した土地に建物を新築
<1年以内に底地(敷地)取得>
①建物を新築した者が、との底地(敷地)を取得
②未使用建物新築後、1年以内に建物と底地を同一人物が取得

建物についての税負担軽減措置について

建物について不動産取得税の減税措置を受けるためには、具体的には、床面積が50㎡以上240㎡以下であることが必要です。

個人が購入によって取得した場合_中古物件の場合

土地については、上記3)でも既に記載したとおり、耐震基準を満たした住宅の底地(敷地)でなければ、不動産取得税の軽減措置は受けられません。
また、建物については、原則耐震基準を満たす必要がありますが、耐震基準を満たさない場合であっても、改修工事等を行い耐震化する場合は、一定額が適用されます。しかし、耐震基準が適用されない住宅を取得する場合は、その底地(敷地)は、不動産取得税の軽減措置の対象外となります。
なお、軽減措置を受けるためには、居住要件が必須となっていますので、当たり前ですが、必ず居住することが条件です。また、居住するといっても「セカンドハウス」では不動産取得税の軽減措置の対象とはならないので、ご注意願います。

賃貸用の場合

賃貸用の場合は、新築の場合を除いて、不動産取得税の適用はありません。なお、建物の面積についての条件は貸家の場合、40㎡以上240㎡以下となります。賃貸用の場合は、居住用の住宅と違い、保護の必要性は低いですので、中古住宅を賃貸用(投資用等)で取得する場合には不動産取得税の軽減措置はありません。ここで、個人の方では少ないケースだと思いますが、底地を取得して(所謂「地上げ」を行って)、3年以内に新築の共同住宅を建築できない場合には、土地の取得につき、軽減措置を受けられないことがあります。賃料収入等の目的で共同住宅を建設する際には注意が必要です。なお、後に記載しますが、賃貸目的で建物を取得した場合の、不動産取得税の税率は4%となり、個人が居住用で取得した場合の3%の税率に比べて割高となります。

安くなる税金の具体例について

上記のとおり、主な不動産を取得する形態での、不動産取得税の軽減措置について説明してきました。それでは具体的にどの程度、税負担が変わってくるのかについて、ここで説明します。

新築住宅(戸建の場合)

※新築の場合は建物についての評価がまだされていないので、実際の購入代金や建築工事費ではなく、総務大臣が定める固定資産評価基準により評価します。

建物=1200万(建物面積 100㎡)
土地=3500万(底地面積 160㎡)

建物 課税価格=建物価格((1200万)-控除金額(1200万))×3%=0円
土地 控除額=3500万/160×(100×2)×3%=131万2,500円=A
   本則税額=3500万×1/2×3%=52万5,000円=B
   A-B=0円
差額  建物=36万円
    土地=52万5,000円  合計88万5,000円

不動産取得税の軽減措置を受けるためには

まずは、何と言っても、申告書を期限内に出しましょう。前記に記載しましたが、役所側が親切に「この場合は軽減措置を受けられますよ」とは教えてくれません。減税措置の申告書のタイトル(表題)は都道府県ごと異なりますので、末尾の「参考」」をご参照ください。
なお、不動産取得税の軽減措置を受けるのに必要な代表的なものを次に記載します。ただし、繰り返しとなりますが、都道府県ごとに必要なものが変わってきますので、必ず、対象の都道府県のホームページを参照して確認するようにして下さい。
・売買契約書
・登記事項証明書
・納税通知書または評価証明書
・売買代金支払領収書
・個人が住宅を取得した場合は住民票
・建物各階平面図

まとめ

不動産を取得した場合、一般には家やマンションを購入したり、アパート等を新築した場合には、「不動産取得税」を思い出して下さい。多くのケースでは、軽減措置を利用すれば、不動産取得税が課税されない場合や、されたとしても、その負担が最小限ですむ場合が多い
です。
また、固定資産税は各市町村(東京都は23区内は東京都)が担当しますが、不動産取得税は県税あるいは、都税の一部です。お問い合わせは、各都道府県のホームページをご参考にして下さい。
一部の自治体、例えば千葉県などは、法務局と連携をして、月ごとに、新たに不動産を取得した者の情報を取得しています。その場合、本例で示した場合とは例外的に取得者が申告をしなくても、千葉県が全てを把握している場合があります。
しかし、こういったケースはごく一部の場合ですので、原則、不動産を取得した場合には、ご自身で手続きを取る必要があることを、念頭において下さい。
なお、不動産取得税を滞納しますと、他の租税と同様に滞納処分がありますので、ご注意下さい。

参考)
<不動産取得税>

不動産取得税計算ツール(東京都23区内)
以下のリンクより不動産取得税の概算ができます。
(http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/syutokuzei.html)

東京都主税局ホームページ(http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/fudosan.html)
千葉県ホームページ(https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/aramashi/shurui/hudousan-keigen.html)
埼玉県ホームページ(http://www.pref.saitama.lg.jp/a0209/z-kurashiindex/z-2-9.html)
神奈川県ホームページ(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f520239/p13774.html)
長野県ホームページ(https://www.pref.nagano.lg.jp/zeimu/kurashi/kenze/aramashi/aramashi/qa/fudosan.html)

<固定資産評価基準>
総務省ホームページ参照 
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran13/ichiran13_00.html))

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