成年後見制度って聞いた事ある?しっかりと覚えておきましょう。

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成年後見制度とは

認知症、知的障害、精神障害等の理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金など財産を管理したり、契約を結んだり、遺産分割協議をしたりする必要があっても、自分自信でこれらのことをすることが難しいです。
また、自分に不利な契約を判断できずに契約してしまい悪徳商法の被害にあう恐れもあります。

このような判断能力の不十分な人達を保護、支援するのが成年後見制度です。
保護支援する人を成年後見人。
保護、支援される人を成年被後見人と言います。
本人の障害が身体的なものだけの場合や、本人が単なる浪費者、性格の偏りかがあるだけである場合にはこの制度を利用できません。また、本人を保護するための制度ですから、本人の財産を贈与したり、貸し付けたりすることは原則として認められません。親族が本人の財産の内容を知る目的でこの制度を利用することも適切ではありません。

成年後見制度の理念

成年後見制度の理念は、本人保護の理念を大事にし、本人の意思や自己決定の尊重もその理念としています。できる限り本人の意向を聞く、補助、補佐の代理権の付与の際、本人の同意を必要とするなどの決まりがあります。
また、障害のある方も家庭や地域で通常の生活をすることができる社会をつくろうというノーマライセゼーションの理念も、成年後見制度の理念の一つであるとされます。

成年後見制度はこれらの理念の調和を目指している制度であると言えます。

ノーマライセゼーションって??

欧米諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の1つで、「障害者も健常者と同様の生活ができるように支援するべし!」という考え方です。また、そこから発展して、障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり本来の望ましい姿である、とする考え方としても使われることがあります。またそれに向けた運動や施策なども含まれます。
本当に始まりは欧米からって感じですよね。1960年代にすでにこういった考え方があるなんて。日本はこの時高度経済成長期ですね。

後見制度の種類

成年後見制度は、大きく分けると、法廷後見人制度と任意後見制度の2つがあります。

法定後見制度とは

また法定後見制度は「後見」「補佐」「補助」に分かれており、判断能力の程度に応じて制度を選べるようになっています。「後見」が最も判断能力不十分です。そして「補佐」「補助」と続きます。

法定後見制度においては、家庭裁判所によって選ばれた後見人が、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、本人が後見人の同意を得ないでした不利な法律行為を後から取り消したりすることで本人を保護します。
どの様な人がなれるのかは別でご説明します。

任意後見制度とは

任意後見制度は、本人が元気なうちに、将来のことを考えて、あらかじめ自分が信用できる人(任意後見人)を選んでおいて自分の生活や療養看護、財産管理について代理権を与える契約(任意後見契約)を公正証書で結んでおくといったものです。
公正証書とは??
公証役場にいる公証人が作成する、法律上の非常に強い効力を持つ文書のことです。
そうすることで、本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと、本人を代理して契約等し、本人の意思に従った適切な保護、支援をすることが可能となります。

後見監査人とは

「任意後見監督人」の仕事は,任意後見人が任意後見契約の内容どおり,適正に仕事をしているかを,任意後見人から財産目録などを提出させるなどして,監督することです。また,本人と任意後見人の利益が相反する法律行為を行うときに,任意後見監督人が本人を代理します。任意後見監督人はその事務について家庭裁判所に報告するなどして,家庭裁判所の監督を受けることになります。

成年後見人

成年後見人になれる人

ではどの様な人が後見人になるのでしょうか。

法定後見制度では親族からの申し立てにより、家庭裁判所から選任された人がなります。誰になって欲しいか、希望を伝えることはできます。
平成26年1月〜12月までのデータによると約35%のケースで本人の親族が後見人等に選任されています。 但し、親族後見人を希望しても、内容が複雑で、トラブルが予想される場合は、司法書士などの専門家が成年後見人等に選任されることもあります。
ですが裁判所には審査の基準があるようです。
あくまで予想ですが、審査基準として以下のことが考えられます。
1. 親族間に意見の対立がある場合
2. 流動資産の額や種類が多い場合
3. 不動産の売買や生命保険金の受領など、申立ての動機となった課題が重大な法律行為である場合
4. 遺産分割協議など後見人等と本人との間で利益相反する行為について後見監督人等に本人の代理をしてもらう必要がある場合
5. 後見人等候補者と本人との間に高額な貸借や立替金があり、その清算について本人の利益を特に保護する必要がある場合
6. 従前,本人との関係が疎遠であった場合
7. 賃料収入など年によっては大きな変動が予想される財産を保有するため、定期的な収入状況を確認する必要がある場合
8. 後見人等候補者と本人との生活費等が十分に分離されていない場合
9. 申立時に提出された財産目録や収支状況報告書の記載が十分でないなどから、今後の後見人等としての適正な事務遂行が難しいと思われる場合
10. 後見人等候補者が後見事務に自信がなかったり、相談できる者を希望したりした場合
11. 後見人等候補者が自己もしくは自己の親族のために本人の財産を利用(担保提供を含む。)し、または利用する予定がある場合
12. 後見人等候補者が、本人の財産の運用(投資)を目的として申し立てている場合
13. 後見人等候補者が健康上の問題や多忙などで適正な後見等の事務を行えないまたは行うことが難しい場合
14. 本人について、訴訟・調停・債務整理等の法的手続を予定している場合
15. 本人の財産状況が不明確であり、専門職による調査を要する場合

問題はやはり主に本人の財産の保護ということでしょうか。
任意後見制度ではお願いされて契約した人がなることができます。
特に必要な資格はありません。

成年後見人になれない人

ではどういった人は後見人になれないのか?

法定後見制度では
1. 未成年者
2. 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
3. 破産者
4. 本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族
5. 行方の知れない者
任意後見制度の場合
1. 未成年者
2. 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
3. 破産者
4. 行方の知れない者
5. 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
6. 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
となります。

申し立ての方法

申立てがきる人は、本人、配偶者、4親等内の親族、成年後見人等、任意後見人、成年後見監督人等、市区町村長、検察官です。管轄の家庭裁判所に申し立てます。
4親等内の親族
兄弟姉妹・叔父・叔母・甥・姪・いとこ・配偶者の親・配偶者の祖父母 ・配偶者の曾祖父母・配偶者の子・配偶者の孫・配偶者の曾孫・配偶者 の兄弟姉妹・配偶者の甥姪・配偶者の叔父・叔母など

必要な書類

家庭裁判所のHPからダウンロード(郵送で取寄せ)
 申立書
 申立事情説明書
 親族関係図
 本人の財産目録及びその資料
 後見人等候補者事情説明書
 親族の同意書
 診断書(雛形を持って病院で)

各自治体
 戸籍謄本
 住民票

法務局
 登記されていない証明書

愛の手帳の写し

費用

収入印紙 800円 登記費用 2600円
郵便切手 後見の場合 3200円
     保佐、補助の場合 4100円
鑑定費用
鑑定とは、本人に判断能力がどの程度あるかを医学的に判定するための手続です。申立時に提出していただく診断書とは別に、家庭裁判所が医師に鑑定依頼をする形で行われます。ただし、親族からの情報や診断書の内容などを総合的に考慮して本人の判断能力を判断できる場合は、鑑定が省略されることもあります。
鑑定を行う場合は、通常、本人の病状や実情をよく把握している主治医に鑑定をお願いしています。ただし、事案によっては、主治医に鑑定を依頼できない、または、鑑定を引き受けていただけないこともあります。
その場合は,主治医から他の医師を紹介していただくなど、鑑定を依頼できる 医師をお探し頂くことがあります。
申立て前(申立てのための診断書を依頼する機会など)に、主治医に対して、鑑定を引き受けていただけるかどうか、また、鑑定費用についての意向などを診断書付票に記載してもらうよう相談してください。
鑑定費用(鑑定人への報酬)は、鑑定人の意向や鑑定のために要した労力等を踏まえて決められます。主治医に鑑定を依頼する場合は、通常は診断書付票に記載されている金額になりますが、家庭裁判所の判断で別の医師を鑑定人として指定する場合などは、改めて金額が定められることになります。
なお、鑑定を行う場合、鑑定費用(通常は、診断書付票に記載されている金額)を家庭裁判所にあらかじめ収めて頂く必要があります。ただし、申立てや面接の際に鑑定費用を納めていただく必要はありません。鑑定を行うことになった場合、家庭裁判所から連絡しますので、定められた期限内に納めてください。

まとめ

高齢化社会に伴い、これらの制度が利用されるケースは今後ますます増加していくと思われます。

後見制度については専門家(弁護士や司法書士)からアドバイスを受けることができますので、ぜひ相談してみることをおすすめします。

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