賃貸した時の家賃に関わる消費税についてのあれこれ

賃貸をした時に支払う家賃にも消費税がかかる事をご存知でしょうか。

被相続人が不動産経営を行っていて、その不動産を相続した場合にも知っておかなければいけない事です。

借りる側の賃借人から頂く消費税を、貸した側の賃貸人は申告する義務があります。

この賃貸借に関わる消費税をお教え致します。

不動産を賃貸した時の消費税

一般的なイメージとしては、マンションやアパートなどを借りるという事だが、
不動産の定義は広く、様々な種別があり、それぞれ決められた事項が異なる場合がります。

被相続人から相続した不動産の種別を理解し、消費税への対策を覚えておきましょう。

契約時にかかる諸費用への税金の有無

まずは、契約時にかかる費用からご説明。
賃貸契約の諸費用を課税取引と非課税取引に分けます。

■ 課税取引
礼金・保証金(償却する部分)・仲介手数料

■ 非課税取引
敷金・保証金(償却しない部分)・権利金

このように、賃貸借の契約時にてまとめて払う代金に関しても課税と非課税に分かれています。

これらの事を理解した上で、賃貸の募集内容を決めると良いでしょう。

それでは、実際の家賃はどうか?

家賃に対しての消費税

実は、家賃に対しても課税と非課税に分かれるのです。
大きく分けると下記になります。

■ 課税
居住用として定められている不動産

■ 非課税
事業用として定められている不動産

また、注意しなければいけないのが、マンションやアパートを事務所として貸している場合です。
一般的にはマンションやアパートは居住用として貸し出される事が多いが、近年ではSOHOなどの事務所用として借りられている方も増えて来ている。
この場合、建物としては居住用だが、契約としては事業用になる。

家賃に対しての消費税がかかるかかからないかは、契約書にどう書かれているによります。
不動産業者に契約を任せる場合も、一度確認した方が良いでしょう。

事業用不動産に対しての消費税

事業用と言っても居住用よりも種別の幅は広い。
下記が、事業用として消費税がかかる不動産になる。

■ 消費税がかかる事業用不動産
・駐車場(アパートを取り壊して駐車場にした場合などにも注意)
・倉庫
・店舗(店舗と居住用部分が併設している不動産がある。この場合は、店舗のみ課税対象となる。)
・事務所
・事業用として利用の居住用不動産

店舗もそうだが、駐車場を併設して立てている不動産もある。
契約上、居住用としている部分だけが非課税となるので間違いないようにしましょう。

土地に対しての消費税

土地を貸す事で得られる費用を、地代と言います。
この地代に対しての法律も決められている。


「国税庁 NO.6225 地代、家賃や権利金、敷金など 1.地代」より
土地の譲渡や貸付けは、消費税の課税の対象とならないこととされています(非課税取引)。なお、土地の貸付けのうち、貸付けに係る期間が1か月に満たない場合及び駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税にはなりません。
 土地には、土地の上に存する権利も含まれます。土地の上に存する権利とは、地上権、土地の賃借権、地役権、永小作権などの土地の使用収益に関する権利をいいます。
 しかし、事務所などの建物を貸し付ける場合の家賃は課税の対象となります。この場合、家賃を土地部分と建物部分とに区分している場合でも、その総額が建物の貸付けの対価として取り扱われます。
 なお、住宅用としての建物の貸付けは、貸付期間が1か月に満たない場合などを除き非課税となります。

ここでも注意が必要です。
土地の賃貸は課税対象にはならないが、特定の条件(1ヶ月未満・駐車場・その他施設での土地利用)に関しては課税対象になるという事。

土地を、野球場やプール、テニスコートなどの施設にし賃貸している場合も課税となる。
居住用の建物の賃貸と同様に、土地の賃貸も契約時の条件などには気を付けましょう。

建物に対しての消費税

では、土地の上に建っている建物でも居住用・事業用以外に注意すべき事があるのでしょうか。

ここでは、大きく間違える事はないでしょう。

居住用以外は、ほぼ事業用と言ってよい。
ですので、建物の賃貸を契約する際に、項目が居住用にならない場合は全て課税である。
ただ、覚えておいて頂きのは、居住用でも貸付期間が1か月に満たない場合などは課税になる事がある。
賃貸借の期間も考慮し、空室を募集するようにしよう。

消費税の納税義務について

不動産を賃貸する事で得た消費税を納税する人間を、課税事業者と言います。

この課税事業者かどうかを判断する基準も定められているので、お教えします。

課税事業者の判断

まず、賃貸オーナーの全てが課税事業者ではありません。
では、どの条件になった場合に課税事業者となるのでしょうか。

この判定には個人と法人でも条件が異なりますが、どちらもその課税となる対象期間が決まっており、その課税売上高で判断します。
その対象期間は、前々年又は前年の開始から半年間となっております。
この半年間の判断によっては、免税事業者といい課税事業者にならない場合もあります。

また、個人と法人の場合の違いは、対象期間が課税事業者となるか、事業年度が課税事業者になるかである。
支払いの対象となる期間は異なるが、どちらも課税売上高が1,000万円を超す場合になります。

個人での家賃収入で1,000万円を超す事はあまり多く無いかもしれませんが、相続した不動産を会社を設立し管理する場合なども考えられるので、この課税事業者の判断基準も知っておくと良いでしょう。 

まとめ

相続で多いのは、住んでいる不動産であろう。
しかし、その不動産も自らが住むのでは無く、貸す事もありえる。
または、元々貸していた不動産を相続する事もある。

面倒な場合は、売却する事も方法の一つでしょう。

ただ、一度貸した場合の収入と税金も含めた支出を算出し、今後のライフプランと比較しながら行う事をお勧め致します。

これらの計算方法やプランを決めるのが一人では難しい場合は、専門家に聞いてみましょう。

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