不動産分割相続とはなにか!詳しく解説します!

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不動産分割とは

相続時に遺産の中に不動産が含まれていることが多いですが、不動産がある場合、どのようにして遺産分割をするのかが問題になりやすいです。
だって家を半分に破壊するわけにいかないですから。

不動産は現金や預貯金のように単純に分割できないので、誰が取得するかで相続人同士で意見があわず、揉め事が起こりやすいです(それまでは仲が良かったのに)。

不動産は他の財産と比べて高額になることも多いので、1人が取得するとなると他の相続人との間で不公平となり、文句が出ることも多くあります。親族などで集まって不動産を遺産分割する方法には、いくつかの分け方があるので、以下で順番にご紹介します。

不動産分割の種類

現物分割

現物分割とは

現物分割とは、不動産をそのまま相続人の1人が現物で取得する方法です。たとえばある不動産があって、兄弟3人が遺産分割協議をする場合、長男がその不動産を単独で相続します。

現物分割のメリット

この手続きは非常に簡単です。誰が取得するかさえ決まったら、代償金の支払いも不要ですし、不動産を売却する手間もかかりません。共有状態にもならないので、遺産分割後には、取得した相続人が1人で自由に不動産を売却・賃貸したりなどの方法を決めることができます。

現物分割のデメリット

現物分割では、公平な遺産分割が難しいです。不動産は通常高額なので、誰か1人が単独で取得すると、その相続人の遺産の取り分が他の相続人と比べてかなり高額になってしまうことが多いです。
不動産が複数あってそれぞれの相続人が1つずつ不動産を取得する場合でも、それぞれの不動産によって価格が異なるため、やはり完全に公平な分割は難しくなります。現物分割ができるケースは、遺産分割の結果が必ずしも公平にならないことに全員の相続人が納得している場合に限られてきます。

代償分割

代償分割とは

不動産をある相続人が取得しますが、他の相続人に対してその代償金を支払う方法です。(こちらは納得度合いが高い方法ですね)。

例えば、兄弟3人が遺産分割協議をする場合で、3000万円の不動産があるとします。このとき、兄弟それぞれの遺産の法定相続分は3分の1ずつなので1000万円ずつです。ここで、長男が不動産を取得すると、代償金として次男及び三男にそれぞれ1000万円ずつ金銭にて支払をします。
「お兄ちゃん、家欲しいなら俺らに1000万ずつ現金払ってね」ってことです。

代償分割のメリット

代償分割する場合、ある相続人が不動産を取得しますが、その取得分のうち自分の法定相続分を超過する価値分については、他の相続人に代償金の支払いをします。そこで、代償分割をすると、相続人の間で公平な遺産分割をすることができます。
現物分割のように、不動産を相続した1人だけの遺産取得分が多くなってしまうということにはなりません。
また、代償金さえ支払えば、不動産を単独取得出来るので、不動産を相続した相続人は、その不動産を自由に活用することができます。

代償分割のデメリット

代償分割のデメリットは、この分割方法を利用するには、不動産の取得者に代償金の支払い能力が必要になることです。資力がない人がいくら不動産を取得したいと言っても、それはできない相談ですよって感じです。
例えば、もともと親と同居していた長男が、居住している実家の不動産(上記の例と同じ3000万円で3人兄弟の場合)を取得したいとします。このとき、他の兄弟に対して2000万円の代償金を支払わないといけないとすると、長男にそのような資力がない場合には、長男は不動産を相続出来ません。
結果として、長男は家を出て行かなければならなくなります。このように、代償分割は、相続人の間の公平をはかることができる反面、代償金支払いができないケースではかなりシビアな結果をもたらす可能性があります。

共有

共有とは

共有とは、不動産を共有持ち分にて相続することです。たとえば不動産があって、兄弟3人が相続する場合、不動産持ち分を3分の1ずつとして共有登記します。

共有のメリット

共有とは、単純に不動産を法定相続分にもとづいて共有にしてしまうことです。共有にするためには、わざわざ遺産分割協議をする必要はありません。相続が起こったら、すぐにでも法務局に申請をして、簡単に相続登記をして共有にすることができます。
例えば、遺産分割協議がもめそうな場合や、相続人の中に認知症患者がいるようなケースでも、とりあえず共有にすることなら簡単にできます(利益を害する恐れがない)。
このように、共有には、手続きが非常に簡単だというメリットがあります。

共有のデメリット

共有にすると、不動産の処分が非常に面倒になります。状況に応じて売却したり賃貸に出したり抵当権を設定したりしたいことがある場合、共有の場合、処分行為には共有者の承諾が必要になるので、自分一人の意思で処分をすることができません。

保存行為は各自OK。管理行為は過半数でOK。変更(処分)行為は全員で!

遺産分割協議をせずに多数の相続人が共有する場合、たとえば不動産を売却したり賃貸に出して活用したりしたいと考えても、相続人に連絡を取って承諾をとらないと手続きが一切できなくなるので大変不便です。結果的に不動産が放置されてしまうケースも多くなります。さらに、相続人が死亡してさらに相続が起こると、共有者がさらに増えて所有関係が非常に複雑になります。

もともと3人の兄弟が共有で不動産を相続しても、一人が死亡してその子ども2人が相続したら、元の兄弟2人と、死んだ人の子ども2名の合計4名が共有者となります。残った兄弟2人が死亡したら、さらにその子どもが引き継いで不動産の共有者はどんどん増えていきます。このようなことになってくると、1人1人の共有持ち分もどんどん小さくなり、誰が所有者なのかもわかりにくく、不動産の処分なども相当困難になってしまうことになります。
1物1権主義という言葉もあるくらいですから、不動産も共有すると面倒になる場合があります。
相続の際に不動産を共有にする方法はおすすめではありません。

換価分割

換価分割とは

換価分割とは、不動産を売却して、その売却代金を分ける方法です。例えば、兄弟3人が不動産を相続する場合にその不動産を売却したら3000万円になったとします。このとき、兄弟は売却金を1000万円ずつ取得することになります。
換価分割をする場合、不動産を売却してその売却金を法定相続分に応じて分配します。そこで、完全に公平な遺産分割をすることができます。
不動産は、分割が難しいために遺産分割でもめる原因になりやすいですが、換価分割をすると現金に形が変わるので、不動産であっても非常に分割が簡単になります。さらに、換価分割をすると、不動産が後に残らないので処分の問題もありません。不動産を取得すると、後に賃貸に出したり売却したりする処分が必要ですし、傷んでいればリフォームも必要で、毎年の固定資産税の支払いもしなければなりません。換価分割してしまうと、これらの煩雑な不動産の処分や管理などが一切不要になるメリットがあります。

換価分割のデメリット

換価分割をすると、当たり前ですが不動産はなくなります。その不動産が先祖代々伝わる土地であったり、大切な実家であったりして、不動産を守りたいケースがあります。このような場合、換価分割をすると、不動産を守ることはできません。

分割方法が決まったら

相続財産に不動産が含まれている場合、以上の4つの方法のいずれかによって不動産を遺産分割することになります。共有の場合には遺産分割協議は不要ですが、それ以外の方法で遺産分割する場合には、協議の結果を遺産分割協議書にまとめる必要があります。

遺産分割協議書の必要性

遺産分割協議書とは、相続人同士が遺産分割協議をして合意の結果をまとめた書面のことです。遺産分割協議書がないと、せっかくいったん遺産分割方法について合意をしても、後になって、「そんなこと聞いてない!」などと言い出して紛争が蒸し返されてしまうおそれがあります。遺産分割協議は相続人全員でやりましょう。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書を作成する場合には、まずは表題に「遺産分割協議書」と書いて、その後に決まった遺産分割の方法を順番に書き入れていきます。たとえば「相続人〇〇が〇〇の預貯金を取得する」「相続人〇〇が以下の不動産を取得する。」と書いて、不動産の明細を書き入れたりします。この時、預貯金や不動産などの財産の特定については、特に慎重に行いましょう。預貯金の場合には金融機関名、支店名、預金の種類、口座番号などを正確に記入します。不動産の場合には、全部事項証明書  (不動産登記簿のこと)を見ながら正確に書き写していくと良いでしょう。正確に記載しないと、後に相続登記などができなくなってしまうこともあります。

内容が書けたら、相続人全員分の署名押印が必要になります。この時、使用する印鑑について、法律上は特に制限はありませんが、後々の手続き(相続登記など)を容易にするためにも実印を利用するようにしましょう。
ちなみに署名とは直筆です。他の文字はパソコンで作成しても構いませんが署名は自分の手で行うようにしましょう。

ページが複数になる場合には、ページの間に契印(割印)が必要になります。契印に利用する印鑑も、署名押印に利用する印鑑と同じである必要があります。
契印とは、書類がバラバラになってもわかるようにページとページの間に押印することです。あとで差し替えたりされるのを防ぐこともできます。

遺産分割協議書の注意点

遺産分割協議書を作成する場合、まず相続人全員が参加して署名押印する必要があると言うことです。1人でも欠けていればその遺産分割協議書は無効です。

相続人に未成年者が含まれている場合には法定代理人(例として親)が参加する必要があります。未成年者と法定代理人の利害が対立する場合には、特別代理人を家庭裁判所において選任する必要があります。

相続人の中に行方不明者がいる場合には、行方不明者の財産管理人を選任して、その人に遺産分割協議に参加してもらう必要があります。遺産分割協議書を作成する場合には、上記のようにいろいろな注意点があるので、無効にならないように慎重に作成しましょう。

遺産分割協議書を持って不動産登記

不動産について遺産分割協議が整って遺産分割協議書ができあがったら、その遺産分割協議書をもって、いよいよ不動産の登記です。

不動産登記の際の必要書類

• 登記申請書
• 登記をする不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
• 被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)
• 被相続人(亡くなられた方)の出生時から死亡時までの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改正原戸籍謄本
• 相続人全員の現在の戸籍謄本
• 遺産分割協議書
• 全員の印鑑証明書
相続登記をする場合、遺産分割協議書には実印が押されている必要があります。印鑑証明書によって、遺産分割協議書に押印された印鑑が実印かどうかをチェックします。
• 不動産を取得する相続人の住民票
• 登記する不動産の固定資産評価証明書
これらの書類を揃えたら、法務局において不動産の相続登記の申請ができます。

相続登記にかかる税金

相続登記をする際には、実費として登録免許税がかかります。金額は、不動産の固定資産税評価額の4%ですので、登記する不動産の価値に応じて異なってきます。これについては、不動産を相続する相続人が自己負担するのが一般的です。

まとめ

遺産の中に不動産があると、預貯金などのように単純に分割することができないのでトラブルになることが多いです。不動産を遺産分割する方法としては、現物分割、代償分割、共有、換価分割の4種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。ケースに応じてどの方法が良いのかを適切に選択しましょう。

遺産分割協議が整ったら、その内容を遺産分割協議書にまとめて書面化しておく必要があります。遺産分割協議書ができたら、それを使って不動産の相続登記をすることができます。

相続問題は司法書士や行政書士の専門家に依頼しましょう。
相続人を探し当て、遺産分割協議をし、分割協議書を作成し、相続登記をすると言うのは、ご自身でも出来ますが、とても大変な作業です。

司法書士や行政書士は争うことはできないため、中立な立場で間に入るのでお互いが納得できる形で相続問題の解決のお手伝いをしてくれると思います。

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